**嬶左衛門の四方山噺**

花街 闇街 表道、多くの顔と名前を携えて…

侵食

苔(こけ)、その誕生は奇跡に近く3億年…もっと前に遡る。
水中と陸上の何処にでも蔓延り、菌類と藻類から成る生命力溢れる植物。
ある時は美として評価され、ある時は厄介者として排除される。



ハプニングバー
薄暗く程よく湿ったその場所は、とても居心地が良かった。

そこのスタッフはまた、26歳の私にとって魅力的な仕事だった。


会員は、幾つかの規約の中で羞恥と恍惚の狭間で微睡む。
その羨ましいほど滑稽な様を見るのが楽しみだったのだ。


ミニスカートに尻を曝し通う少女。
高齢になってハマりにハマった老夫婦。
「家では息子を叱ってばかりなんですよ」と上品に微笑む女性は、いつも固めの縄を好んだ。

最初から恥じらわなければ良いのに… 
そう思わせるくらい、女のししむらは狂う。
そしてまた湿りを増すのだ。


自分はさておき、女とは凄い生き物だと思う。
自らを何度も何度も生み替えることが出来る。

喰らい潤い、また咲く。



そういえば、苔にも花言葉がある。

信頼
孤独


そして、母性。

女は花などではない。
強く美しく、侵蝕してゆく
苔なのだと思う。


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